[ 2015-11-11 掲載 ]
北京市で開かれていた第18 期中央委員会第5回総会(五中総会)は10月29日、「一人っ子政策」を見直し、全ての夫婦が第2子を持つことを認めることを決定し、閉幕した。労働人口の減少と急速に進む高齢化のほか、親戚、隣近所同士の付き合いといった文化的なセーフティネットがなくなってきたことが背景にある。新政策の具体的な実施時期は今後、決定する。
健康、食品安全、子育てなどの政策提言、行政を担当する国家衛生和計画生育委員会の王培安副主任は記者の質問に答え、政策見直しにより2030 年までに中国の総人口は14 億5000万人になると予想。今後も人口の多さによる社会発展の難しさと、資源の分配、環境問題といった課題は残るものの、経済、家庭環境の変化に対応した決定と説明している。
国内の人口増加率は近年、目に見えて減少。世代構成では高齢化が加速し、性別では男性の多さが目立ついびつな状態となっている。さらに20 歳から29歳までの出産適齢期に子どもを産む女性が少なくなっており、以前のように子だくさんを良しとする風潮自体がなくなりつつある。
また、核家族化も進行し、3世代が同居し共に面倒を見る機会が失われてきている。近代化に伴って隣近所同士で助け合うといった感覚も薄れてきており、社会的な相互扶助機能の減少と言える。
新政策実施後は、子どもを一人だけ持つ夫婦にこれまで与えられてきたライセンス「独生子女父母光栄証」は発行せず、奨励費支給といった優遇策も廃止する。すでにライセンスを所持している夫婦への優遇は今後も継続となるが、第2子を持った場合は資格を失う。
今回の五中総会は経済の中期目標を定める第13 次5カ年計画(16~20 年)の基本方針を決定するもので、新政策は早い時期にスタートすることが予想されている。【台海網】
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