[ 2015-10-20 掲載 ]
江蘇省揚州市の揚州大学に今年入学した19歳女性が、入学にあたり出身地の黒龍江省から2500kmの道のりを自転車で走ってきたことが最近わかり、クラスメートらを驚かせている。
この女性は、黒龍江省虎林市出身の楊琬滢さん。揚州大学信息工程学院に入学して1週間後、楊さんの席にあった自転車旅行日記をクラスメートが見つけたことから、旅の事実が知れ渡った。
楊さんによると、自転車旅行は8月14日に虎林の実家を出発。吉林省、遼寧省、河北省、天津市、山東省を駆け抜け、9月5日午前に揚州へ到達した。真夏日や大雨といった過酷な天候、何度もパンクトラブルに見舞われた日々だった。食事は携帯しやすい粉ものや、塩分が取れるものを中心に簡単に済ませ、夜は安宿で身体を休めた。総距離は2464kmになる計算だ。
「辛くてやめようと思ったことは」との記者の質問には、「何度も思ったけど、もうこんな機会はないかもと歯を食いしばった」と返答。「新しい景色を見て、写真を撮って…旅の高揚感を感じている時間も長かった。スイカで有名な(黒龍江省の)寧安を通った時は、売り物にならないスイカが道に沢山捨てられてあって、地面に座ってお腹いっぱい食べたわ」と頬を緩めた。
本格的な自転車旅行は、実は2度目。4年前、15 歳だった楊さんは、西藏チベット自治区への自転車旅行を、父から誘われた。非常に驚き、人生で初めて自分で決める大きなことだったと振り返る。決心して参加、たどり着いた同区では、現地住民の信仰の厚さに心打たれた。「私がそれまで辛いと思っていたことも、あの人たちにとっては日常のことだった。山や川、大地の息吹を全身で感じた」と、興奮気味に当時を語る。
今回揚州への自転車旅行を家族に打ち明けた時、真っ先に賛成してくれたのも父。計画を聞いた父は、すでに楊さんが子どもではないと悟り、多種多様な経験をさせるべきと考えた。楊さんも道中、頻繁に家族に連絡を入れ、心配させないよう気を配った。
入学後も自転車は趣味として続けており、大学での勉強についても「専攻のコンピューターについて、まだ知らないことだらけ。だけど努力する道が見えているのだから、それがどれだけ遠くとも全く問題ない」と前を向く。夢があるのに行動せず、すぐあきらめてしまう若者が多い中、クラスメートや教員も楊さんには「行動すること、頑張り続けることの意味を身をもって体現してくれている」と尊敬の眼差しを向けている。【揚州晩報】
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