特集

ストリートが戦場 露天商のドラマ

[ 2015-08-18 掲載 ]

あなたもきっと見たことがあるはずだ、あちこちの道端で物を売る露天商の姿を。今回の特集では上海の路上でたくましく生きる彼ら露天商を取材。稼ぎはいくらか、商売のコツは、なぜ路上なのか等その実態に迫った。物売りの数と同じだけあるドラマの一端をご覧いただきたい。

 

 

陶器売り 黄さん

陶器売り 黄さん

店を持っても路上販売

安福路で陶器を売る黄さんは、烏魯木斉南路で同様の商品を売る店のオーナー。江西省生まれ、50歳で、路上で陶器を売ること14年。店を構えてからも1日12時間路上で商売する活動的な性格だ。「外でも売れば、売り上げが増えるだろう」と笑う彼は人通りが多い小区の前で営業。30分ほどの間に10人が商品を眺め、そのうち2人が大皿とお椀を買っていった。商売で大変なのは、日に2、3度見回りに来る取り締まりという。取り締まりが来たのか、商品全部を乗せたリヤカー付き自転車をこぐ黄さんと取材後すれ違った。

1日の売り上げは300元。そのうち150元が利益になるとか。商品購入後、袋の中に名刺を添えるのが印象的だ。

 

350ml入るカップ15元 妥当な値段と思う。たっぷり入り、夏の水分補給にGood!

350ml入るカップ15元
妥当な値段と思う。たっぷり入り、夏の水分補給にGood!

 

 

 

果物売り 徐さん

果物売り 徐さん

不屈の果物商人

現在50歳の徐さんは江西省撫州市の出身。上海で果物の路上販売を始めて6年になる。卸売市場で仕入れた商品を山東中路で午前10時から12時間販売。大声で道行く人に呼び掛け、興味を示す客は追いかけて積極的に売り込む。武骨な口調で「毎日長い時間路上に立って、取り締まりが来たら逃げての生活は大変だ」とこぼすが、「これからも上海で物売りを続けるだろう」と話す。少ない資本でできる仕事の上、故郷で働くよりも実入りは多いからだ。「家族に仕送りもしないといけないしな」とつぶやく。1日の売り上げは250元ほどで、多い日は330元程度。仕入れの代金や仕送りを計算すると、自由になるお金は70元から80元だという。

 

蓮の実とマンゴスチン それぞれ10元。 手にとっていたら流れで買わされ、くやしい。

蓮の実とマンゴスチン それぞれ10元。
手にとっていたら流れで買わされ、くやしい。

 

 

タオル売り 朱さん

タオル売り 朱さん

信用で稼ぐ露天商母!

復興中路の自宅前でタオルを販売する朱さんは、子育てや家事に勤しみながら稼ぐ31歳のお母さん。アパートの門前にタオルの陳列棚はあるが、朱さんはいない。客が来ると、隣で野菜を売るおじさんが大声で家の中の朱さんを呼ぶ。露天商同士の近所付き合いが感じられるシステムだ。

小さい子どもを自宅で世話しながらできる仕事として、3年前に路上販売を始めた朱さん。1日5~6時間タオルを並べて売り上げは100元余りで利益は半分ほど。これまでの記録は300元という。「手ごろな価格の商品を多く揃えることが商売のコツ」といい、「これまで大きなトラブルがないのは、信用される接客をしているからね」と笑う。

 

フェイスタオル15元 少し高いとも思うが、吸水性良し。柄は気にしない。

フェイスタオル15元
少し高いとも思うが、吸水性良し。柄は気にしない。

 

 

アクセサリー売り蘭さん

アクセサリー売り蘭さん

露天商一家の幸福

チベット自治区出身35歳の籣さんは長寿路の亜新広場近くが仕事場だ。故郷から仕入れたり自分で作るアクセサリーを上海の路上で売って3年。夫妻で2歳の娘を連れ、商売に励む。1日全く売れないこともあれば200元売れることもある。「家族が食べていけるだけ稼げるから満足さ」と楽しそうだ。

ヤクの革紐を編みながらの「商売の秘訣なんてないよ。毎日もっといい商品を作るだけだよ」との言葉が職人気質を感じさせる。苦労するのは「商品の価値を分かってくれない客」とか。とは言いながら、買わない客にも紐をサービスし、「次は買ってよ!」と陽気に笑う。近所で働く顔なじみが声を掛けていく様子からも愛される人柄がみてとれる。

ヤク革のブレスレット20元 60元から「友達価格」へと値下げしてもらう。満足。

ヤク革のブレスレット20元
60元から「友達価格」へと値下げしてもらう。満足。

 

 

露天商あるある

 

その1 身軽さ最重視

露天商は商品を持って動けることをとにかく重視。上で紹介した黄さんのようなリヤカーや、目一杯かつぐなど方法は人それぞれ。取り締まり対策の意味が大きいようだ。近所の人と仲良し

その2 写真が嫌い

城管を警戒してなのか、あまり写真撮影に応じてくれない。冗談めかしてはいるが、写真を撮られたら、「元締めに殴られる」なんて物騒な話もあった。

その3 近所の人と仲良し

警備員や周辺住民と仲がいい。路上で商売しているうちに、親交が深まるのだろう。ある露天商は商売そっちのけで、周りのおじさんとトランプに興じていた。

 

買い物を楽しむには

露天商の言い値は高めだが、価格交渉の余地がある。失敗談としては、南京東路で買った写真の宙に浮かぶ玩具は最初1つ150元の言い値が2つで140元になり、断り切れず買ってしまった。冷静に考えると、それでも高い。不要な物はいらないとはっきり言う気持ちで、路上の買い物を楽しんでほしい。





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